KOIKE LINESの長い独り言〜オリジナル盤私的考察

国内盤と輸入盤どちらの方が音が良いですか❓

オリジナル盤の方が、再発盤より音が良いですか❓

マスターテープは劣化するため、再発盤は音がダメですか❓

輸入盤は、反りがあったり盤質が国内盤より劣りますか❓

日本でカッティンしたプレスと輸入原盤プレスは音が違いますか❓

最近、このようなことをよく尋ねられます。

実際には、自分が聴いて判断すべきことですが。。。購入してハズレだった時は授業料と考え、ババを引かないことを学んで欲しいのが本音です。

今まで扱ったレコード(数万枚⁉️)から、おおまかな傾向を述べます。

日本盤・輸入盤・オリジナル盤・再発盤・日本カッティング盤・輸入原盤プレス盤、いずれも優劣があります。レコードは生産時期や生産国により、品質に違いがあり、日本が良いとか、それよりもドイツが良いなど一概に決められません。

歴史を振り返るとSPの頃も日本プレスより欧米プレスのSPの方がノイズが多いものがあります。1950年代前半の日本のレコードでは、盤質が1960年代以降のものより劣るものがあります。

概ね1960年代後半になると音質と盤質が良く、品質は安定しています。同時期にレコード材料の品質も飛躍的に向上しています。全てのレコードで確認はできませんが、日本盤は欧米盤よりノイズが少ない傾向があると言えます。

また、ステレオ初期は、カッティングヘッドのダイナミックレンジが狭いため、音が良いとは言えないレコードはあります。特に低域の歪みを防ぐため、音楽の内容や録音状態によって150Hz以下は同相にしてカッティングしている場合もあります。

カッティングによる音の違いは、カッティング方法とエンジニアの感性や技量によるところが大きいですね。初版より再販の方が音が良いことも多々あります。カッティング方法では、バリアブルピッチより、固定ピッチの方が、音が良いです。

海外のカッティングエンジニアは、音楽をよく知っているが、日本のカッティングエンジニアは、音楽を知らないなどと評されることがありますが、その逆もあります。音楽をよく知っていて知識もあるカッティングエンジニアは日本にもいます。

日本でも海外でもカッティングエンジニアが特定の音楽ジャンルのみカッティングすることは難しかったようです。

繰り返しますが、カッティングに関しては、エンジニアの音楽感性や知識によるところが大きいです。音楽が好きであることも含め、人に尽きると思います。

カッティングヘッドを含めたカッティングレースの違いは、音質の違いにも結びつきます。モノラル時代から数社がカッティングヘッドを製作しています。ステレオ用であれば、ウェストレックス、ノイマン、オルトフォンのカッティングヘッドが多くのレコード会社で使われています。

原盤供給方法の違いもまた音の違いに繋がります。SP時代は、ダイレクトカッティングのため、メタルマスターの供給だけでした。第二次大戦後、数年で大手のレコード会社はテープレコーダーを使用した録音を開始しました。そのため、原盤供給方法が、メタル原盤とテープの2つになっています。

クラシックでは、DECCAやDGGでは本国カッティングのメタルマスターでの供給が多く、EMI・テレフンケン・CBS・RCAなどはカッティング用マスターテープの供給が多いです。

特にEM系列Iは、イギリスEMI、フランスパテ、ドイツエレクトローラは会社ごとに企画して録音しますので、録音した会社がマスターテープを保有しています。

例えばパテで録音したものは、EMI系列の他社にカッティング用マスターテープを供給しています。

マスターテープ(親)を使ってカッティングすることは稀です。オリジナルマスターテープのコピーであるカッティング用マスターテープ(子)を使用します。これはステレオ録音を開始した1953年〜1955年頃までのことで、1956年頃には3トラック録音が主流になり、3chマスターテープ(親)からトラックダウンして2chマスターテープ(子)を作っています。2chマスターテープからカッティング用マスターテープ(孫)を作ります。例えばアメリカCBSの録音であれば、アメリカCBSのカッティン用マスターテープと日本へ供給されるカッティング用マスターテープは、同じ(子)からの(孫)になります。

時代とともにテープレコーダーは、3ch、4ch、8ch、16ch、24chと録音できるトラックが増えました。そのため、マルチトラックテープ(親)からトラックダウンして、2chマスターテープ(子)を作り、それからカッティグ用マスターテープ(孫)を作っています。この場合、会社によっては、マルチトラックのマスターテープを廃棄し、トラックダウンした2chまたは4chマスターを残すことがありました。

リスク回避のため、録音時に複数のテープレコーダーを回して録音を取ることが多いです。旧東ドイツVEBと共同制作の場合、VEB用と共同制作会社用にそれぞれマスターが存在します。トラックダウンの制作もそれぞれに違いがあるため、別録音のような音の違いがあります。

このような様々な原因により、同一演奏のレコードであっても音の違いが明確にあります。それもレコードの個性だと思って聴いています。

マスターテープが劣化して、再発以降で音の良くないレコードがあるのも事実です。大半はカッティング用マスターテープの劣化が原因です。新しいカッティン用マスターテープを使うことで音質劣化は最小限に防ぐ事ができます。

実際にオリジナルマスターテープの多くは、温度湿度などを一定にして、厳重な管理の元で保管されています。とは言え、マスターテープの管理と保管がずさんなレコード会社もあり、原盤が紛失して、CD化や再発のために状態の良いレコードからマスターを作った(俗に言う盤起こし)例も多々あります。

国によっては、マスターの海外移動を法的に禁止しています。日本のレコード会社が原盤保有権を獲得したが、マスターを日本へ持ち出すことができず、保管先でマスタリングしたとこともあります。

原盤の供給を考えるとオリジナル盤は複数存在することになり、オリジナル盤の定義は難しいです。個人的には、そのレコード会社が初発売したレコードが、オリジナル盤になると考えています。

一般的にオリジナル盤と認知されているのは、録音をした会社の最初の盤でしょう。現実的には中古で入手するオリジナル盤は、盤の状態が様々であり、音質や盤質の評価は難しいですね。

また、中古を含め現在入手できる日本プレスのレコードの盤質は、概ね優秀です。😍

KOIKE Analog Factory

アナログレコードの高音質再生のお手伝をしている工房です。 KOILE LINES リード線とスタイラスクリーナー、レコード洗浄液、スタビライザー、各種オーディオケーブル、電源タップ等アナログ関連製品を開発・製造・販売をしています。カスタム仕様も対応します。 その他、カートリッジ 、レコードプレーヤー、ミキサー、アンプなどのアップグレード・修理レストア・メンテナンス等もおこなっています。